【書評】子どもがバスケを始めたら読む本 三上太著 鈴木良和監修 ~スポーツをする子を持つ親に向けて~

バスケ本
子どもがバスケを始めたら読む本,三上太,鈴木良和

子どもにスポーツをして欲しい、という親(保護者)は多いのではないでしょうか?
ただ、親としてスポーツをする子どもやコーチとどう接すべきか、どのような知識が必要かを悩む方も多いと思います。
本書は、バスケを題材にしていますが、スポーツするお子さんを持つ親御さん全員に対してとても役立つ本です。

この本はこんな方におすすめ!
  • バスケや、スポーツをする子どもを持つ親御さん
  • バスケを子どもに教えるコーチ、指導者
  • これから子どもにスポーツをさせたいと思う親御さん
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著者の紹介

三上太(みかみ ふとし)
1973年生まれ 山口県出身。
主にバスケットボールを取材対象とするスポーツライター。
男女の日本代表チーム、Bリーグ、Wリーグだけでなく、学生年代まで幅広くカバーしています。

ご自身もバスケットボール経験者で、お子さんもバスケを始めているそうです。
本書では、子どもがバスケを始めた親という目線で語ってくれています。

鈴木良和(すずき よしかず)
1979年生まれ茨城県出身。
株式会社ERUTLUC代表。

大学院在学中に「バスケットボールの家庭教師」という事業を立ち上げ、その事業を拡大していき現在のERUTLUCという会社になっています。

バスケの指導に関する事業を行っており、スクールや個別指導などの活動をされています。
この中で得た知識を書籍として多数出版されています。
長年の指導実績からか、理論的に書かれていてどの本も信頼できます。

本書では、アドバイザー的役割と、指導者目線として参加しています。

内容の紹介と感想

子どもがバスケを始めたという著書の三上太氏と、バスケスクール「ERUTLUC」を経営する鈴木良和氏が、色々な分野のスポーツ専門家に話を聞きに行くという内容。

指導者向けのテクニックやコーチングを紹介する本はありますが、親(保護者)どのような知識を持っているべきか、どう接するべきかを語る本は珍しいのではないでしょうか。

バスケを題材にしていますが、あらゆるスポーツに対して適用できる内容ではないかと思います。

まず子供にスポーツをやらせてみたいという方は以下のようなスクールもおススメです。

目次

  • 第1章…身長を伸ばすことってできますか?
  • 第2章…ケガをしたら、どうすればいいですか?
  • 第3章…ちゃんと食べれば、いい選手になれますか?
  • 第4章…バッシュ選びって、重要なことはなんですか?
  • 第5章…インナーって着用したほうがいいんですか?
  • 第6章…どのようにして子どもに接すればいいんですか?
  • 第7章…スポーツ大国・アメリカの育成年代ではどんなことが起きているんですか?
  • 終章…ところで、ERUTLUCではどんな指導をしているんですか?

おすすめポイント

本書を読んで、おすすめできるポイントや共感できた点をピックアップしました。

  • 怪我をした時の対象法について
  • 子どもとの接し方について
  • 子どもにスポーツをやらせる意味について

怪我をした時の対処法

スポーツをしていると大なり小なり怪我はつきものです。
本書は、怪我をした時にどのように対処したらよいか、専門スポーツトレーナーとしての見解を知ることができます。

スポーツトレーナーがいるようなチームは少ないでしょうし、コーチもボランティアでやっているような場合は、知識も乏しい可能性がありますのでとても参考になります。

例えば、捻挫したときの応急処置はどうするでしょうか?
とりあえず「冷やす」ということが親世代の考え方ではないでしょうか。

アイシングが悪いわけではないようですが、かえって治りが遅くなるという考えもあるようです。
アイシングをすることで、痛みを軽減できたり、腫れを抑えたりする効果があるので意味はありますが、アイシングで怪我が治る、ということではありません。

患部が腫れるのには理由があり、腫れを抑えすぎてもよくなく、適度に圧迫したり、無理のない範囲で動かすほうが良いこともあるようです。

症状によって対処方法が変わるので、医者や専門家に診てもらうのが良い、ということになってしまうのですが、応急処置としてアイシングし過ぎるというのもよくないという知識をもっておいてよさそうです。

病院に行くとしても、日本ではあまりなじみがないですが、セカンドオピニオンの考えも前提に置いておいたほうが良いようです。
医師による専門領域があるので、多少の手間がかかってもきちんと治していくためにはセカンドオピニオンは必要な考え方です。

また、怪我をしない体作りや、怪我を早期に回復させるためにとして親にしかできないこともあります。
適切な睡眠時間を確保できるように規則正しい生活を心がけることや、きちんと栄養が取れるように食事に気を使うということです。

こういった、最低限の知識を親が持つことで子どもの怪我を防ぐことや、早期に復帰することが実現できますね。

子どもとの接し方について

スポーツをする子どもに対して、親としてどのように接したら良いでしょうか。
本書でメンタルトレーナーの意見が紹介されています。

親は、サポーティブな立場で関わらなければならないと言っています。
スポーツは勝敗が明確であったり、優劣もはっきりわかってしまいます。

親の期待値と、子どものパフォーマンスにギャップがあると、親が色々と口出ししたくなってしまいます。
このような行動はやはりよくないようですね。

親やコーチが、「ああやれ、こうやれ」と口を出しすぎると子どもが自ら考えないで行動するようになってしまいます。

自分で考えてやろうとしたことを尊重し、親やコーチはその支援やアドバイスを与える、ということが理想的です。

子どもにスポーツをやらせる意味について

本書は、子どもにスポーツをさせる意味を再認識させてくれます。

親御さんに、「なぜ、子どもにスポーツをさせているんですか?」と聞くと、次のような回答が返ってくるそうです。

  • 健康に育ってほしいから
  • 仲間を作ってほしいから
  • 努力することを学んでほしいから
  • ルール、マナー、礼儀を学んでほしいから

とてもよくわかります。
私も子どもにスポーツをやらせた理由は上記と同じ理由でした。

しかしながら、子どもがチームに入ると「どうしてうちの子を試合に出さないんだ」という声が上がるようです。
子どもの成長を見たいという思いは、いつの間にか「子どもの活躍が見たい」「子どもが優秀だということを証明したい」という思いにすり替わってしまうのです。

チームによって方針が異なるので、子どもが成長するにはどのような理念を持ってチーム作りをしているかを理解したうえで参加させないといけません。

実力主義で試合に勝つことで成長することもあるでしょうし、均等に試合に出るチャンスを与えられることで成長することもあるでしょう。

どちらも正解で、チームの理念を理解すれば不満の声も上がらなくなります。

また、子どもが成長するには課題を発見し、それを自ら解決することが重要だと語っています。
そのために「ミスと失敗は定義が違う」ということを説明しているそうです。

ミスは、やれたはずのものができなかったこと
失敗は、挑戦して上手くいかなかったこと

失敗を恐れないことで、チャレンジすることができます。
そうすることで、自ら課題を発見し、自ら解決しようとするようになります。

コーチに教えられたことができるようになるだけでなく、自ら課題を見つけて解決することで、より成長につながるということですね。

まとめ

スポーツをする子どもを持つ親は、競技が異なったとしても親自身もスポーツをやっていたという方が少なくないと思います。
中には同じ競技の経験があり、コーチをしているという方もいるでしょう。

技術の発達や、研究が行われたことにより、昔の常識が通用しないことがあります。
特にメンタルケアについては、親もコーチも正しく学んで子どもと接するべきだと思いました。

他にも、スポーツをする子どもを持つ親として、役立つ情報がたくさんの良本です。
よかったら手に取ってみてください。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

鈴木良和さんの書籍は以下でも紹介しています。

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